え、私の初恋を書くの?
聞いたってつまらないと思うんだけど…(笑)
じゃあ初恋の人にしてもらったうれしかったことを…
以下小説風味でお届けします。
※BL風味です。苦手な方はご遠慮下さい※
まだ外では男口調な中1の夏、初めての中体連…
3年にとっては最後の大会。
中体連を目前に随分気合がはいっていた…。
「柏木ー」
「はい」
部長が俺を呼ぶ。
タオルとスポーツドリンクを持って駆け寄りソレを差し出す。
「サンキュ」といいながら、ソレを手にとって木陰に腰を下ろした。
「御疲れさまです」
「ああ…まぁ、座れや」
隣をポンポン叩く動作をする先輩に、小さく笑い頷いた。
中1で170cmある詠美を軽く上回る、長身でガタイのいい部長。
詠美は部長が好きだった。
勿論、部長は詠美の気持ちに気づいているはずは無いけれど…。
「柏木、お前体調悪くないか?」
「大丈夫ですよ、俺一応男ですし」
「そうか」
今日は何故かよく詠美を心配する。
長身で細身だとひ弱そうにみえるのだろうか…。
(実際は適度にスポーツも出来て持久力もあるという)
しかし今日は体調が優れなかった。
頭がフラフラするというか…
でも、部員はこんなにもがんばってるのにマネージャーが倒れてたまるか。
しかも、大好きな先輩の前で…!
「詠美くーん、飲み物運んでくれる?女子じゃ重くて持てなくって…」
「今いきます」
遠くから女子の先輩(マネージャー)が呼ぶ声に顔を上げた。
「それじゃ、俺行きます」というと立ち上がる…が。
「あれ…?」
「柏木ッ!?」
視界がぐらっと揺れて、詠美はそのまま倒れた。
「大丈夫か!?」
「あー…ちょっと立ちくらみ…?」
「お前少し休んでろッ」
そういうと、タオルを詠美の顔に被せてマネージャーの先輩に訳を話しにいった。
(…ダサい…先輩の前で…ダサい…最悪…)
酷く悔しがっていると…
「おい、水分取れ」
先輩が再び戻ってきた。
肩に腕を回され抱き寄せられ、コップに入ったスポーツドリンクを渡される。
(近い…ケドちょっとうれしい…)
「アリガトウございます…」
しかしまともに飲めない詠美。
それもそうだ、好きな人の腕の中で落ち着いていられるはずが無い。
だけど先輩には相当具合が悪く思われたのか…
「お前、今日は帰れ。俺が家まで送るから」
「いえそんな…えぇ!?先輩練習は…」
「マネージャーほっといて練習なんてできねぇよ」
「先輩…」
「ほら、帰るぞ」
自分にだけ向けられた先輩の笑顔で再び立ちくらみがしそうだった。
+ + + + +
え、その後?
もちろん2人で帰ったわよ。先輩は戻っていったけど…
それでもいいの、好きな人と2人っきりの下校…すっごくうれしかったわ!
かなうはずは無かったけど…(…)
今思えばかっこいい人は沢山見るけど
初恋以来のトキメキは無いわネェ…
…って、ここで言ったら恋愛未経験だってばれちゃってるじゃない!!←
い…いいわよ、別に。
まだ青春真っ只中なんだから!これからよ!!( `д´)